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相続税の虎情報

作成日:2020年10月15日

相続税専門税理士が解説します!「いくら利益があれば法人化した方が節税できるか?」

個人で不動産賃貸業をしているけど、法人化した方が節税できますか?法人化は利益がいくら以上あったらよいでしょうか?


最近、個人の不動産賃貸業をされている方で、法人化される方が増えています。

その目的は、中には不動産所有者の認知症対策というのもありますが、たいてい節税対策です。

不動産賃貸業には相続税対策のためやられているケースも多く相続税も気になるところですが、

今日は所得税・法人税限定の話をします。

 

実は私も税理士業を20年以上やっていますが、以下の2つの質問に遭遇した経験は数知れずありました。

①個人(所得税)と法人(法人税)はどちらが税金安いの?

➁利益がどの程度以上あったら法人化した方がよいか?

さて、この答えはどうなのでしょうか?

 

法人税と所得税はどちらが単純税率が低いか?

単純に利益変動にともなう所得税(住民税も含む。以下同じ)と法人税(法人県民税・法人事業税・法人市民税も含む

以下同じ)の推移は下の通りです。グラフの横軸は利益で、縦軸は各々の適用される税率です。

 

 

このグラフによると

所得が低いうちは所得税の方が法人税より低いですが、所得が上がるにつれてその差は縮まり、所得800万円程度でほぼ同じになり、所得1000万円程度以上になると所得税の方が法人税より高くなります。

単純に税率だけを比較すれば上の回答になります。

 

よく「所得が1000万円以上あると法人化した方がよい」と言われているのはこの論拠です。

 

法人化を検討するのに、単純な法人と個人の税率で比較してもダメです!そのカラクリとは・・・?

しかし、実際にはそう単純な話ではありません。

法人で仮に1000万円の利益があった際に、そのままにするでしょうか?

 

法人でそれなりの利益が予定されている場合、通常は役員報酬を取ることになります。

そして、その報酬金額は予定されている利益の金額程度に設定され、

法人には利益が残らず法人税は発生しません。

代わりに、役員報酬には所得税が課税され、給与所得となります。

 

もっとわかりやすく言うと

ここで最初の設問の「個人と法人とでどちらが税金が安いか?」については

例えば1000万円の不動産賃貸業の利益が予測されたとして

 

①1000万円に対する所得税と1000万円に対する法人税のどちらが安いか?

 

という比較はあまり意味がなく

 

1000万円を不動産個人事業で受け取った場合(不動産所得)と、

1000万円を役員報酬(給料)で受け取った場合(給与所得)とでどちらが所得税が安いか?

 

という比較になります。

 

不動産所得の場合、厳密には青色申告特別控除という要素も考えないといけませんが、最大でも65万円しかなく、

給与所得の場合には、最低でも55万円の給与所得控除(令和1年以前は65万円でした)を差し引くことができ、1000万円の給与収入には195万円の給与所得控除を差し引くことができます。

 

ということになり、大抵の場合青色申告特別控除より給与所得控除の方が多いので、

法人で利益を受け取った方が税金が安くなる結果になります。

 

結論的には

不動産事業を法人化することにより、それまでの不動産所得を給与所得化することが可能になり、給与所得控除の分だけ節税できます!

利益が1000万円もなくても法人化した方が節税できます。

 

 

 

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